下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者における血栓・塞栓形成の抑制
(PAD)

疫学データ

日本循環器学会/日本血管外科学会
2022年改訂版 末梢動脈疾患ガイドライン

末梢動脈疾患(PAD)とは

  • 冠動脈以外の末梢動脈に病変が生じる疾患の総称である。
  • 狭義で、上下肢動脈疾患の呼称として一般に用いられている。
  • 2022年改訂版 末梢動脈疾患ガイドラインでは、冠動脈以外の末梢動脈の狭窄・閉塞性疾患をPADと定義し、下肢閉塞性動脈疾患をlower extremity artery disease(LEAD)、上肢閉塞性動脈疾患をupper extremity artery disease(UEAD)としている。

図1 本ガイドラインで扱う「末梢動脈疾患」

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日本循環器学会/日本血管外科学会. 2022年改訂版 末梢動脈疾患ガイドライン. https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Azuma.pdf. 2022年5月閲覧

LEADに対する血行再建術後の抗血栓療法

  • 血行再建術後は、下肢の血栓の再発と脳心血管イベントの抑制を目的に、抗血小板薬単剤療法(SAPT)を終生継続することが推奨される。
  • 術後の早期には特に血管イベントのリスクが高まることから、抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)が投与されることがある。

図16 LEADへの血行再建術後の薬物療法とその投与期間

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本邦で承認されたシロスタゾールの効能又は効果は「慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍、疼痛及び冷感等の虚血性諸症状の改善」、「脳梗塞(心原性脳塞栓症を除く)発症後の再発抑制」です

日本循環器学会/日本血管外科学会. 2022年改訂版 末梢動脈疾患ガイドライン. https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Azuma.pdf. 2022年5月閲覧

VOYAGER PAD
国際共同第III相試験/優越性試験

試験概要

目的

下肢血行再建術施行後の症候性末梢動脈疾患(PAD)患者における重大な血栓性血管イベントの抑制に関して、イグザレルトとアスピリンを併用投与した際のアスピリン単剤投与に対する優越性を検証すること

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有効性主要評価項目

重大な血栓性血管イベント(心筋梗塞、虚血性脳卒中、心血管死、急性下肢虚血又は血管系の原因による大切断の複合)

 

安全性主要評価項目

大出血(TIMI分類)

  • COI: 本研究はバイエルの資金により行われた。また、著者にバイエルより講演料、コンサルタント料等を受領している者が含まれる。
  • *1: 7. 用法及び用量に関連する注意 「7.1アスピリン(81~100mg/日)と併用すること。なお、患者の状態に応じて本剤又はアスピリンの中断等を考慮すること。」
  • *2: アスピリン81mg又は100mgは、下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者における血栓・塞栓形成の抑制としては本邦未承認。本邦で承認された効能又は効果は、「狭心症、心筋梗塞、虚血性脳血管障害における血栓・塞栓形成の抑制」、「冠動脈バイパス術あるいは経皮経管冠動脈形成術施行後における血栓・塞栓形成の抑制」および「川崎病」。
  • 10.  相互作用(抜粋)
  • 10.2  併用注意(併用に注意すること) 血小板凝集抑制作用を有する薬剤:抗血小板剤(アスピリン、等)

承認時評価資料、Capell WH et al. Am Heart J 2018;199:83–91、 Bonaca MP et al. N Engl J Med 2020; 382:1994-2004

患者背景

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平均値±標準偏差又は症例数(割合)

 

承認時評価資料、Bonaca MP et al. N Engl J Med 2020; 382:1994-2004、
COI: 本研究はバイエルの資金により行われた。また、著者にバイエルより講演料、コンサルタント料等を受領している者が含まれる。

有効性主要評価項目(検証的解析結果)

  • 重大な血栓性血管イベント
    (心筋梗塞、虚血性脳卒中、心血管死、急性下肢虚血又は血管系の原因による大切断の複合)
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ITT解析
解析方法:血行再建術のタイプとクロピドグレルの使用の有無により層別したCox比例ハザードモデル(ハザード比及び95%CI、共変量:投与群)、及びLog-rank検定(p値、片側有意水準 0.025、固定効果:投与群)

試験全体の安全性情報は、『有害事象』のスライドを参照

承認時評価資料、Bonaca MP et al. N Engl J Med 2020; 382:1994-2004、
COI: 本研究はバイエルの資金により行われた。また、著者にバイエルより講演料、コンサルタント料等を受領している者が含まれる。

安全性主要評価項目

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安全性解析対象集団/治験薬投与下(治験薬投与終了後2日目まで)

  • *1:5g/dL以上のヘモグロビン値の低下、ヘモグロビン値が得られていない場合は15%以上のヘマトクリット値の低下
  • *2:48時間以内に実施した5単位以上の全血又は赤血球の輸血

承認時評価資料、Bonaca MP et al. N Engl J Med 2020; 382:1994-2004、
COI: 本研究はバイエルの資金により行われた。また、著者にバイエルより講演料、コンサルタント料等を受領している者が含まれる。

有害事象

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安全性解析対象集団/治験薬投与下(治験薬投与終了後2日目まで)
有害事象は、発現頻度が高かった上位3事象を記載

承認時評価資料

用法用量

下肢血行再建術施行後のPAD患者における
イグザレルトの効能又は効果と用法及び用量

効能又は効果

下肢血行再建術施行後の末梢動脈疾患患者における血栓・塞栓形成の抑制
 

用法及び用量

通常、成人にはリバーロキサバンとして2.5mg を1日2回経口投与する。
 

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 7.1アスピリン(81~100mg/日)と併用すること。なお、患者の状態に応じて本剤又はアスピリンの中断等を考慮すること。
  • 7.2下肢血行再建術施行後の初期治療において抗血小板剤2剤併用療法が必要な場合は、アスピリンとクロピドグレルを使用すること。クロピドグレルの使用期間は必要最低限にとどめること。
  • 7.3本剤の投与は、下肢血行再建術が成功し、止血が確認できた後、早期に開始すること。
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イグザレルト錠2.5㎎電子添文