非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制(NVAF)

ROCKET-AF
海外第Ⅲ相試験/非劣性試験(海外データ)

試験デザイン

「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は最新の電子添文をご参照ください。
イグザレルトは、国内および国外の第Ⅰ~Ⅲ相試験成績を基に承認されました。
承認時に評価されたデータを紹介しますが、一部国内の承認内容と異なる成績が含まれています。

目的

有効性におけるイグザレルトのワルファリンに対する非劣性を検証すること

対象

ROCKET-AF:試験デザインの図

有効性主要評価項目

脳卒中又は全身性塞栓症[検証的な解析項目]

安全性主要評価項目

重大な出血又は重大ではないが臨床的に問題となる出血

副次評価項目

脳卒中、全身性塞栓症又は心血管死
脳卒中、全身性塞栓症、心筋梗塞又は心血管死
個々のイベント、重篤な後遺症の原因となる脳卒中、全死亡

1)

心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病のうち2つ以上のリスクを有する、又は虚血性脳卒中/TIA/全身性塞栓症の既往を有するNVAF患者

2)

国内外の臨床試験成績を用いた薬物動態シミュレーションの結果、日本人に15mg1日1回および外国人に20mg1日1回のイグザレルトを投与した際の曝露量は同程度であることが確認された。なお、国内承認用法・用量は、通常、成人にはイグザレルト15mg(腎障害のある患者に対しては、10㎎)1日1回食後に経口投与である。

解析計画

有効性主要評価項目について、プロトコール適合集団/治験薬投与下のデータに基づき、イグザレルトのワルファリンに対する非劣性[非劣性マージン1.46,片側有意水準0.025,Cox比例ハザードモデル(共変量:投与群)]を検証した。非劣性が検証された場合、次の順序で閉検定手順を実施し、優越性を検討した[両側有意水準0.05,Cox比例ハザードモデル(共変量:投与群)]。①有効性主要評価項目、②有効性副次評価項目1(脳卒中,全身性塞栓症及び心血管死)、③有効性副次評価項目2(脳卒中,全身性塞栓症,心筋梗塞及び心血管死)、④全死亡(ここまでは安全性解析対象集団/治験薬投与下で実施)、⑤全死亡(ITT解析対象集団/全試験期間)。また、 優越性に関する補足的解析として、ITT解析対象集団で得られたデータに基づき、感度分析を実施した。
安全性は、安全性解析対象集団/治験薬投与下(治験薬投与終了後2日目まで)のデータに基づき、Cox比例ハザードモデル(共変量:投与群)を用いて投与群間の比較を行った。
事前に計画されたサブグループ解析として、年齢、腎機能、体重、糖尿病、心不全の有無などのリスク因子別に解析を行った。

出血の判定基準(ISTH基準)

重大な出血は、2g/dL以上のヘモグロビン量の低下を伴う出血、2単位以上の輸血(濃厚赤血球又は全血)が必要な出血、重要な臓器における出血、死因となった出血とした。
重大ではないが臨床的に問題となる出血は、「重大な出血」の定義を満たさないが、医学的な介入、規定外の来院又は電話による問診や治験薬の投与中止(中断)を必要とする、痛みなどの不快な症状を伴う、あるいは日常生活に支障を来す明らかな出血事象と定義した。

患者背景(1)

ROCKET-AF:患者背景の表(1)

*:中央値

ITT解析対象集団
n(%)

患者背景(2)

ROCKET-AF:患者背景の表(2)

*:中央値

ITT解析対象集団
n(%)

有効性主要評価項目(検証的な解析結果)

  • 脳卒中又は全身性塞栓症

ROCKET-AF:有効性主要評価項目(検証的な解析結果)のグラフ

プロトコール適合集団/治験薬投与下(治験薬投与終了2日目まで)
解析方法:Cox比例ハザードモデル(共変量:投与群)、非劣性マージン1.46

安全性主要評価項目

  • 重大な出血又は重大ではないが臨床的に問題となる出血

ROCKET-AF:安全性主要評価項目のグラフ

安全性解析対象集団/治験薬投与下(治験薬投与終了2日目まで)
解析方法:Cox比例ハザードモデル(共変量:投与群)

有害事象

ROCKET-AF:有害事象のグラフ

安全性解析対象集団/治験薬投与下
有害事象は、発現頻度が高かった上位3事象を記載


承認時評価資料、Patel MR et al. N Engl J Med 2011: 365: 883-891
COI: 本研究はバイエルの資金により行われた。また、著者にバイエルより講演料、コンサルタント料等を受領している者が含まれる。

J-ROCKET AF
国内第Ⅲ相試験/非劣性試験

試験デザイン

「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は最新の電子添文をご参照ください。

目的

安全性におけるイグザレルトのワルファリンに対する非劣性を検証すること
(有効性の検証には十分な検出力を有していなかったが、有効性についても評価)

対象

J-ROCKET AF:試験デザインの図

有効性主要評価項目

脳卒中又は全身性塞栓症

安全性主要評価項目

重大な出血又は重大ではないが臨床的に問題となる出血[検証的な解析項目]

副次評価項目

脳卒中、全身性塞栓症又は心血管死
脳卒中、全身性塞栓症、心筋梗塞又は心血管死
個々のイベント、重篤な後遺症の原因となる脳卒中、全死亡

*

心不全、高血圧、75歳以上、糖尿病のうち2つ以上のリスクを有する又は虚血性脳卒中/TIA/全身性塞栓症の既往を有するNVAF患者

解析計画

安全性主要評価項目について、安全性解析対象集団/治験薬投与下のデータに基づき、イグザレルトのワルファリンに対する非劣性[非劣性マージン2.0,両側有意水準0.05,Cox比例ハザードモデル(共変量:投与群)]を検証した。有効性主要評価項目について、プロトコール適合集団/治験薬投与下のデータに基づき、Cox比例ハザードモデル(共変量:投与群)を用いて投与群間の比較を行った。主要評価項目の各構成要素についても同様の解析を行った。さらに、本試験における有効性及び安全性成績をROCKET-AFと比較検討することで、日本人への外挿可能性を評価した。

出血の判定基準(ISTH基準)

重大な出血は、2g/dL以上のヘモグロビン量の低下を伴う出血、2単位以上の輸血(濃厚赤血球又は全血)が必要な出血、重要な臓器における出血、死因となった出血とした。
重大ではないが臨床的に問題となる出血は、「重大な出血」の定義を満たさないが、医学的な介入、規定外の来院又は電話による問診や治験薬の投与中止(中断)を必要とする、痛みなどの不快な症状を伴う、あるいは日常生活に支障を来す明らかな出血事象と定義した。

患者背景

J-ROCKET AF:患者背景の表

n(%) 安全性解析対象集団
*:これらの患者では1日用量を10mgに減量

主解析結果

[有効性主要評価項目]

  • 脳卒中又は全身性塞栓症
     

  • 脳卒中又は全身性塞栓症

ROCKET-AF:主解析結果[有効性主要評価項目]のグラフ

プロトコール適合集団/治験薬投与下
解析方法:Cox比例ハザードモデル(共変量:投与群)
*:名目上のp値

[安全性主要評価項目]

  • 重大な出血又は重大ではないが臨床的に問題となる出血(検証的な解析結果)

ROCKET-AF:主解析結果[安全性主要評価項目]のグラフ

安全性解析対象集団/治験薬投与下
解析方法:Cox比例ハザードモデル(共変量:投与群)、非劣性マージン2.0

有害事象

ROCKET-AF:有害事象のグラフ

有害事象は、発現頻度が高かった上位3事象を記載


承認時評価資料、Hori M et al. Circ J 2012: 76: 2104-2111
COI: 本研究はバイエルの資金により行われた。また、著者にバイエルより講演料、コンサルタント料等を受領している者が含まれる。