適正使用情報

重要な基本的注意

 ワルファリンから本剤への切り替え
深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間は、ワルファリンから本剤への切り替えは控えてくださ        い。
初期3週間治療後は、ワルファリンから本剤への切り替え時に抗凝固作用が不十分となる可能性を考慮した上で        切り替えの適否を慎重に判断し、切り替える場合は、ワルファリンの投与を中止した後、PT-INR等、血液凝固        能検査を実施し、治療域の下限以下になったことを確認した後、可及的速やかに本剤の投与を開始してくださ        い。
     (治療域の下限は、国内外の学会のガイドライン等、最新の情報を確認してください。)
ワルファリンから本剤への切り替え (維持期:1回15mg1日1回)

細粒分包の場合も同様

ワルファリンの体内動態と抗凝固作用は個人差が大きく、肝あるいは腎障害、加齢による肝臓薬物代謝能の低下などが複雑
    に関係します。

ワルファリン中止に伴う血栓イベントリスクの上昇と、ワルファリンの効果が残っている状態での本剤追加による出血リス
    クの増大の両方に配慮し、頻回の血液凝固能検査を行うなど慎重に対応してください。

 本剤からワルファリンへの切り替え
本剤からワルファリンへの切り替え時においては、本剤の抗凝固作用は速やかに消失し、十分なワルファリンの効果が得られるまで数日を要するため、抗凝固作用が不十分になる可能性が示唆されています。したがって、抗凝固作用が維持されるよう注意し、PT-INR等、血液凝固能検査の値が治療域に達するまでは、ワルファリンと本剤を併用してください。
本剤の投与によりPT-INRが上昇する場合があり、本剤投与後24時間経過するまでは本剤の影響によりPT-INR値はワルファリンの抗凝固作用を正確に反映しない可能性があります。したがって 、併用期間中のPT-INRの測定は、本剤の影響を考慮して、次回投与直前に行い、特に発症初期3週間以内はPT-INR値の評価には十分注意してください。

*:ワルファリンの経口投与後の抗凝固効果は通常12~24時間目に発現し、十分な効果は36~48時間後に得られる。
   その作用は48~72時間持続する。

日本血栓止血学会編:わかりやすい血栓と止血の臨床,南江堂 2011年; p210.

 本剤からワルファリンへの切り替え (初期治療期及び維持期)
    本剤を直ちに中止する必要がない場合

細粒分包の場合も同様

  • 本剤と併用してワルファリンの投与を開始する。
  • ワルファリン投与開始からPT-INRが治療域に達するまでには、ある程度の日数を必要とすることから、併用期間は慎重
        に経過観察をする必要がある。
  • 本剤とワルファリンの併用による出血リスクを最小化するため、通常よりも頻回にPT-INR等血液凝固能検査を行い、慎
        重に経過観察する。
  • PT-INRが治療域に達した時点で速やかに本剤は中止する。
参 考
直ちに本剤からワルファリンへの切り替えが必要な場合
  • ヘパリンブリッジを考慮する
  • ワルファリン療法を開始後、適切な時期にPT-INRを測定し正常下限を超えた時点でヘパリンを中止する。
  • *ヘパリンは、次回本剤の投与が予定されていた時間より投与を開始してください。
  • *aPTTや活性化凝固時間(ACT)などを適宜測定し、ヘパリンの用量を決定してください。
 注射剤の抗凝固薬から本剤への切り替え
 ヘパリンから本剤への切り替え
 フォンダパリヌクスから本剤への切り替え

細粒分包の場合も同様

 本剤から注射剤の抗凝固薬への切り替え
 本剤からヘパリンへの切り替え
 本剤からフォンダパリヌクスへの切り替え
 飲み忘れ時の対応
本剤15mg1日2回3週間投与時に服用を忘れた場合は、直ちに服用し、同日の1日用量が30mgとなるよう、患者さんに指導してください。この場合、1度に2回分を服用させても問題ありません。また、翌日からは毎日2回の服用を行うよう患者さんに指導してください。なお、15mg1日1回投与時に服用を忘れた場合は直ちに本剤を服用し、翌日から毎日1回の服用を行うよう患者さんに指導してください。服用を忘れた場合でも、一度に2回分を服用せず、次の服用まで12時間以上空けるよう、患者さんに指導してください。
本剤を飲み忘れた場合の対応

細粒分包の場合も同様

 手術や侵襲的処置を行う場合の対応
【警告】(抜粋)
[深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症の治療及び再発抑制]
(2)脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経の圧迫による麻痺が
        あらわれるおそれがある。深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症を発症した患者が、硬膜外カテーテル留置
        中、もしくは脊椎・硬膜外麻酔又は腰椎穿刺後日の浅い場合は、本剤の投与を控えること。
重要な基本的注意(抜粋)

(3)本剤の投与中に手術や侵襲的処置を行う場合、臨床的に可能であれば本剤の投与後24 時間以上経過した後         に行うことが望ましい。手術や侵襲的処置の開始を遅らせることができない場合は、緊急性と出血リスク         を評価すること。
        本剤の投与は、手術や侵襲的処置後、患者の臨床状態に問題がなく出血がないことを確認してから、可及         的速やかに再開すること。
参 考
  • 抜歯、白内障手術、術後出血への対応が容易な場合の体表の小手術の場合
    イグザレルト継続下での実施が望ましいと考えられます。日本循環器学会の「心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013
    年改訂版)」において、「新規経口抗凝固薬の継続下での抜歯や白内障手術」及び「術後出血への対応が容易な体表の小
    手術(ペースメーカー植込みを含む)時の抗凝固薬の内服継続」を「クラスⅡa’」としています。

  • 大手術及び出血が起こった場合に対処が困難な体表の小手術の場合
    イグザレルトの投与24時間以上経過した後の実施が望ましいと考えられます。なお、それ以上間隔が開く時には必要に
    応じたヘパリン置換を考慮してください。 日本循環器学会の「心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)」
    において、「24時間以上のイグザレルトの中止」を「クラスⅡa’」としています。
上記参考は、「心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)」の記載が示されていますが、「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン(2009年改訂版)」の推奨に基づいた記載ではありません。
指針
クラスⅠ : 手技、治療が有効、有用であるというエビデンスがあるか、あるいは見解が広く一致している。
クラスⅡ : 手技、治療の有効性、有用性に関するエビデンスあるいは見解が一致していない。
クラスⅡa : エビデンス、見解から有用、有効である可能性が高い。
クラスⅡa’: エビデンスは不十分であるが、手技、治療が有効、有用であることにわが国の専門医の意見が一致してい                    る。
クラスⅡb : エビデンス、見解から有用性、有効性がそれほど確立されていない。
クラスⅢ : 手技、治療が有効、有用でなく、ときに有害であるというエビデンスがあるか、あるいは見解が広く一致                    している。
    
Expert opinion
消化器内視鏡検査を行う場合の対応
通常消化器内視鏡による観察、生検、出血低危険度の消化器内視鏡の場合
  • 通常消化器内視鏡
        上部消化管内視鏡(経鼻内視鏡を含む)、下部消化器内視鏡、超音波内視鏡、カプセル内視鏡、内視鏡的逆行性膵
        胆管造影
  • 内視鏡的粘膜生検(超音波内視鏡下穿刺吸引術を除く)
  • 出血低危険度の消化器内視鏡
        バルーン内視鏡、マーキング(クリップ、高周波、点墨など)、消化管・膵管・胆管ステント留置法(事前の切開
        手技を伴わない)、内視鏡的乳頭バルーン拡張術
  • 藤本一眞他:抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン、 Gastroenterol Endosc 2012; 54: 2073-2102.


  •  これらの処置当日は、イグザレルトの血中濃度の推移と、血栓塞栓症のリスクレベルを考慮して、内服と処置のタ
     イミングを症例ごとに判断する。日本消化器内視鏡学会の「抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライ
     ン」(2012年)では、「抗凝固薬を休薬なく実施してもよい」とされている。
出血高危険度の消化器内視鏡(ポリペクトミー等)の場合
  • 出血高危険度の消化器内視鏡
        ポリペクトミー(ポリープ切除術)、内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術、内視鏡的乳頭括約筋切開
        術、内視鏡的十二指腸乳頭切除術、超音波内視鏡下穿刺吸引術、経皮内視鏡的胃瘻造設術、内視鏡的食道・胃静脈
        瘤治療、内視鏡的消化管拡張術、内視鏡的粘膜焼灼術、その他
  • 藤本一眞他:抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン、 Gastroenterol Endosc 2012; 54: 2073-2102.


  •  イグザレルトの投与後24時間以上経過した後の実施が望ましい。なお、それ以上の間隔が開く時には必要に応じた
     ヘパリン置換を考慮する。
他の抗血栓薬と併用している場合
  •   抗血栓薬の休薬が可能となるまで内視鏡の延期が望ましい。
 出血時の対応
本剤の抗凝固作用を中和する薬剤は知られておりません。出血が認められた場合は、程度に応じて、次回の投与を延期又は中止してください。
本剤は、蛋白結合率が高いので血液透析は本剤の除去に有用ではありません。
参 考
本剤の消失半減期は5-13時間であり、臨床的に問題となる出血時には、まずは本剤の投与の延期又は中止を考慮してください。
海外で健康成人を対象とした臨床試験において、リバーロキサバン投与後に認められたPT時間延長をプロトロンビン複合体が迅速に抑制したとの報告があります(Eerenberg ES et al.: Circulation 2011; 124: 1573-1579)。
L.JP.MKT.XA.04.2018.1837