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CREDO-Kyoto PCI/CABG Registry Cohort 2

心房細動合併PCI施行患者における抗凝固療法の状況


  PCIが施行された心房細動患者においても、
     脳卒中予防のための十分な抗凝固療法が必要

目的 :
PCIが施行された心房細動患者における経口抗凝固薬と抗血小板薬2剤併用療法の使用実態および有効性・安全性の検討。

デザイン :
多施設共同医師主導型登録観察研究

対象 :
2005年1月~2007年12月に国内の26施設において初めて血行再建術を受けた患者15,939例のうち、登録基準に合致しPCIが施行された患者12,716例。そのうち、心房細動合併例は1,057例であった。

方法 :
対象症例を最大7年間追跡し、その間の累積イベント発生率をKaplan-Meier法で推定した。評価項目は、独立したイベント評価委員会が判定した。

評価項目 :
主要評価項目
: 脳卒中

副次評価項目
: 全死亡、心筋梗塞、ステント血栓症、大出血(GUSTO出血基準)

抗凝固療法を必要とするPCI施行患者における至適抗血栓療法


  抗凝固療法を必要とするPCI施行患者において、
     3剤併用療法よりも2剤併用療法で出血が少ない

目的 :
経口抗凝固薬を必要とするPCI施行患者における2剤併用療法(抗凝固薬+抗血小板薬単剤)と3剤併用療法(抗凝固薬+抗血小板薬2剤)の安全性と有効性の比較検討。

デザイン :
多施設共同無作為化非盲検前向き比較臨床試験

対象 :
長期的(1年以上)な抗凝固療法が必要で、PCIの適応となる重度冠動脈病変を有する18~80歳の患者。2008年11月~2011年11月にベルギーとオランダの15施設から573例が組み入れられた。
頭蓋内出血の既往、心原性ショックの既往、アスピリンまたはクロピドグレル禁忌、6ヵ月以内の消化性潰瘍、血小板減少症、12ヵ月以内の大出血(TIMI出血基準)、妊娠中の患者は除外した。

方法 :
対象患者を以下の2群に割り付け、1年間観察した。
2剤併用療法群 : 経口抗凝固薬+クロピドグレル75mg/日(n=279)
3剤併用療法群 : 2剤併用療法+アスピリン80~100mg/日(n=284)

評価項目 :
主要評価項目 : PCI施行後1年間のすべての出血イベント
副次評価項目 : 全死亡、心筋梗塞、脳卒中、標的血管再血行再建術、ステント血栓症およびこれらの複合

試験デザイン


  PCIが施行された非弁膜症性心房細動患者におけるNOACの
     安全性・有効性を検討した初めての前向き無作為化比較臨床試験

目的 :
冠動脈ステント留置後の非弁膜症性心房細動(NVAF)患者に対する抗血栓療法として、イグザレルトを用いた2つの治療群とビタミンK拮抗薬(VKA)を用いた標準治療群の比較検討。

デザイン :
国際共同多施設無作為化非盲検比較臨床試験

対象 :
ステント留置を伴うPCIが施行された18歳以上のNVAF患者。2013年5月~2015年7月に2,124例が登録された。
脳卒中/TIAの既往、12ヵ月以内の重大な消化管出血、CLcr30mL/min未満、原因不明の貧血(ヘモグロビン濃度<10g/dL)、出血リスクのある患者は除外した。

方法 :
シース抜去後72時間以内にPT-INRが2.5を下回った時点で無作為に割り付けた。また、クロピドグレルは他のP2Y12受容体拮抗薬(プラスグレル、チカグレロル)に代替可とし、DAPT期間および使用するP2Y12受容体拮抗薬は、割り付け前に医師が決定した。

安全性 :
試験薬の投与中止に至った例は、イグザレルトが投与された1,402例中295例(21.0%)、標準治療群697例中205例(29.4%)に認められた。主な理由は、イグザレルトが投与された例では、有害事象162例(11.6%)、出血性有害事象65例(4.6%)、死亡42例(3.0%)、標準治療群では、有害事象76例(10.9%)、出血性有害事象44例(6.3%)、死亡22例(3.2%)であった。


本試験では、一部、本邦未承認用量(2.5mg1日2回)を用いています。プロモーションコードならびに医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領に従い、患者背景および結果については、本邦承認用法・用量範囲のデータのみを提示します。

本邦で承認された用法・用量は以下のとおりです。
●非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
通常、成人にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する。なお、腎障害のある患者に対しては、腎機能の程度に応じて10mg1日1回に減量する。

患者背景


  患者背景は治療群間で差を認めなかった

主要評価項目:臨床上重要な出血


  イグザレルトをベースとした治療群において、
     標準治療に比べ出血リスクは減少

目的 :
冠動脈ステント留置後の非弁膜症性心房細動(NVAF)患者に対する抗血栓療法として、イグザレルトを用いた2つの治療群とビタミンK拮抗薬(VKA)を用いた標準治療群の比較検討。

デザイン :
国際共同多施設無作為化非盲検比較臨床試験

対象 :
ステント留置を伴うPCIが施行された18歳以上のNVAF患者。2013年5月~2015年7月に2,124例が登録された。
脳卒中/TIAの既往、12ヵ月以内の重大な消化管出血、CLcr30mL/min未満、原因不明の貧血(ヘモグロビン濃度<10g/dL)、出血リスクのある患者は除外した。

方法 :
シース抜去後72時間以内にPT-INRが2.5を下回った時点で無作為に割り付けた。また、クロピドグレルは他のP2Y12受容体拮抗薬(プラスグレル、チカグレロル)に代替可とし、DAPT期間および使用するP2Y12受容体拮抗薬は、割り付け前に医師が決定した。

評価項目 :
主要評価項目
・臨床上重要な出血[大出血、小出血、治療を要する出血の複合( TIMI出血基準)]

安全性副次評価項目
・臨床上重要な出血の個々の項目

有効性副次評価項目
・主要な心血管イベント[心血管死、心筋梗塞、脳卒中の複合]

 
・主要な心血管イベントの個々の項目

 
・ステント血栓症

安全性 :
試験薬の投与中止に至った例は、イグザレルトが投与された1,402例中295例(21.0%)、標準治療群697例中205例(29.4%)に認められた。主な理由は、イグザレルトが投与された例では、有害事象162例(11.6%)、出血性有害事象65例(4.6%)、死亡42例(3.0%)、標準治療群では、有害事象76例(10.9%)、出血性有害事象44例(6.3%)、死亡22例(3.2%)であった。

有効性副次評価項目


  主要な心血管イベントの発現は
     イグザレルトをベースとした治療と標準治療で同程度


本試験では、一部、本邦未承認用量(2.5mg1日2回)を用いています。プロモーションコードならびに医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領に従い、患者背景および結果については、本邦承認用法・用量範囲のデータのみを提示します

本邦で承認された用法・用量は以下のとおりです。
●非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
通常、成人にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する。なお、腎障害のある患者に対しては、腎機能の程度に応じて10mg1日1回に減量する。

PCI施行後の心房細動患者における至適抗血栓療法の初めてのエビデンス


北里大学 医学部 循環器内科学 主任教授
阿古 潤哉 先生

   冠動脈疾患と心房細動を合併した場合、抗凝固薬と抗血小板薬の併用が必要となります。
しかし、出血リスクが増大するため、これまでその方法に関して多くの議論がなされてきました。そのような中、PIONEER AF-PCI試験は経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行後の非弁膜症性心房細動(NVAF)患者における未解決の課題に取り組んだ、非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)では初めての前向き無作為化比較臨床試験です。
   PIONEER AF-PCI試験では、イグザレルトをベースとした治療群として、イグザレルト15mgとクロピドグレルを併用する群に加え、イグザレルト2.5mgとDAPTを併用する群の2群が設定されました。海外のイグザレルトのNVAF患者に対する通常用量は20mgであるため、それよりも低い用量で検討されたことが特徴です。その結果、イグザレルト15mgとクロピドグレルの2剤併用療法は標準治療群と比較し、出血イベントを有意に減少させ、有効性イベントは同程度でした1)。ステント留置後のNVAF患者に対する抗血栓療法において、イグザレルト15mgとクロピドグレルの2剤併用療法で安全性・有効性が確認されたことは、臨床現場に還元できる結果として大変意義深く、今後NOACを使用した併用療法にシフトしていくであろうことを感じさせます。日本人での用量選択については議論の余地がありますが、10mgに減量した際に脳梗塞などの塞栓性のイベントが増加する懸念は十分に払拭できていないことから、現状では添付文書通り、15mg1日1回(クレアチニンクリアランス15~49mL/minでは10mg1日1回)に抗血小板薬単剤を併用することが適切だと考えます。
   この他にも、安定冠動脈疾患を合併したNVAF患者を対象として、イグザレルト単剤療法の有用性をイグザレルトと抗血小板薬単剤の併用療法と比較する多施設共同前向き無作為化試験AFIRE2)が日本において進行中です。
   PIONEER AF-PCI試験やAFIRE試験などの冠動脈疾患合併NVAF患者におけるイグザレルトのエビデンスは、リアルワールド(実臨床)において適切な治療選択を行う際の一助となることが期待されます。

1)Gibson CM et al.: N Engl J Med 2016; 375: 2423-2434.
2)UMIN試験ID: UMIN000016612
COI:1)、2)はバイエルからの支援あり

L.JP.MKT.XA.08.2017.1540