適正使用情報

相互作用

本剤は主としてチトクロームP450 3A4及び2J2(CYP3A4及びCYP2J2)により代謝されます。また、本剤はP- 糖蛋白及び乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質です。
本剤の代謝及び排泄に関係する薬剤との併用により、出血の危険性が増大する可能性や抗凝固作用が低下するおそれがあります。HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、アタザナビル、インジナビル等)とオムビタスビル・ パリタプレビル・リトナビル、コビシスタット、アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、ボリコナゾール等、ただし外用剤及びフルコナゾールを除く)については併用禁忌となっています。
 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
HIVプロテアーゼ阻害剤
 リトナビル
  ノービア
 ロピナビル・リトナビル
  カレトラ
 アタザナビル
  レイアタッツ
 インジナビル
  クリキシバン
 サキナビル
  インビラーゼ
 ダルナビル
  プリジスタ、プリジスタナイーブ
 ホスアンプレナビル
  レクシヴァ
 ネルフィナビル
  ビラセプト
これら薬剤との併用により、本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。[「薬物動態」の項参照] CYP3A4及びP-糖蛋白の強力な阻害によりクリアランスが減少する。
オムビタスビル・パリタプレビル・
リトナビル

    ヴィキラックス
コビシスタットを含有する製剤
    スタリビルド
コビシスタットを含有する製剤との併用により、本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 CYP3A4の強力な阻害によりクリアランスが減少する。
以下のアゾール系抗真菌剤
  (経口又は注射剤)

    イトラコナゾール
  イトリゾール
 ボリコナゾール
  ブイフェンド
 ミコナゾール
  フロリード
 ケトコナゾール(国内未発売)
これら薬剤との併用により、本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。[「薬物動態」の項参照] CYP3A4及びP-糖蛋白の強力な阻害によりクリアランスが減少する。

参 考
経口薬のイトラコナゾールは足白癬の治療薬としても頻用されるため、他院の外来で処方される可能性も考えられます。本剤とは 併用禁忌であるため患者に確認するなど注意する必要があります。
併用注意(併用に注意すること)
・アスピリン、クロピドグレル硫酸塩等の抗血小板剤、非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤との併用により、出血の危険性が増大す
   るおそれがあるので、これらの薬剤と本剤の併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断してください。
・抗血小板剤2剤との併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、本剤との併用についてはさらに慎重に検討
   し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用してください。
・本剤とフルコナゾール、ホスフルコナゾール、クラリスロマイシン又はエリスロマイシンなどのCYP3A4及びP-糖蛋白阻害
   剤を併用する場合には、本剤の血中濃度が上昇したという報告がありますので、本剤10mg1日1回投与を考慮してくださ
   い。あるいは治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用投与してください。
・一方、リファンピシンなどCYP3A4及びP-糖蛋白誘導剤と併用の際に、本剤のクリアランスが増加しますので、注意してくだ
   さい。

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗凝固剤
   ヘパリン製剤、低分子量ヘパリン製
   剤(エノキサパリンナトリウム等)、
   フォンダパリヌクスナトリウム、ワ
   ルファリンカリウム等
これら薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 両剤の抗凝固作用が相加的に増強される。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤
   クロピドグレル硫酸塩
   チクロピジン塩酸塩等
血小板凝集抑制作用を有する薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、これらの薬剤と本剤の併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること。投与中は観察を十分に行い、注意すること。 本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。
サリチル酸誘導体
    アスピリン等
非ステロイド性解熱鎮痛消炎剤
   ナプロキセン
   ジクロフェナクナトリウム等
血栓溶解剤
   ウロキナーゼ
   t-PA製剤(アルテプラーゼ等)
これら薬剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 本剤の抗凝固作用とフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強される。
フルコナゾール
ホスフルコナゾール
これら薬剤との併用により本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間は、治療上やむを得ないと判断された場合を除き、これらの薬剤との併用を避けること。非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、並びに深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症患者における初期3週間治療後の再発抑制では、本剤10mg1日1回投与を考慮する、あるいは治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用すること。 フルコナゾールがCYP3A4を阻害することにより本剤のクリアランスが減少するおそれがある。
クラリスロマイシン
エリスロマイシン
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖蛋白を阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。
リファンピシン
リファンピシンとの併用により本剤の血中濃度が低下し、抗凝固作用が減弱したとの報告がある。 リファンピシンがCYP3A4及びP-糖蛋白を強力に誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。
フェニトイン
カルバマゼピン
フェノバルビタール
セイヨウオトギリソウ
(St.John's Wort、
セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
併用により本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 これらの薬剤等がCYP3A4を強力に誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。

参 考
ワルファリン内服中の場合、t-PAを投与する前にPT-INRは1.7以下であることを確認する必要があります 1)。しかし、PT-INR は 本剤の抗凝固作用について標準化された指標ではなく、本剤の指針としては適応できません。したがって現時点で、本剤投与中の患者におけるt-PA投与の可否を判断できる確立されたパラメータはありません2)
1)日本脳卒中学会「rt-PA静注療法適正治療指針第二版」(2012年10月)
2)本剤投与中の患者におけるt-PA投与の臨床経験は現時点では報告されていません。

(参考) 相互作用の可能性が否定されている薬剤

薬剤名
pHの影響 ラニチジン*1 シメチジン*2制酸剤(マーロックス*1)オメプラゾール*1
P-糖蛋白阻害剤 イベルメクチン*2シクロスポリン*2キニジン*2アミオダロン*2ジルチアゼム*2ベラパミル*2
CYP3A4/
P-糖蛋白の基質
シンバスタチン*2アトルバスタチン*2
CYP3A4の基質 ミダゾラム*1ニフェジピン*2
P-糖蛋白の基質 ジゴキシン*1

*申請時評価資料より作表
(薬物動態試験:外国人及びin vitro他)

*1ヒトでの薬物相互作用試験でも検討した薬剤
*2 in vitro試験での検討(82の薬剤について検討)

アスピリン、クロピドグレル硫酸塩等の抗血小板剤との併用により、出血の危険性が増大するおそれがあるので、注意してください。これらの薬剤とイグザレルトの併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断してください。