疾患関連情報

◆ 特別企画



新ガイドラインの改訂ポイントと抗不整脈薬の選択-2

孤立性心房細動に対する治療戦略
  J-RHYTHM試験の結果を受けて日本循環器学会の両ガイドラインでは、心機能が正常な発作性心房細動例に対して、適切な抗不整脈薬の選択による除細動・洞調律維持治療を第一選択としている(図1)。  心房細動に対し洞調律維持のために用いられる抗不整脈薬はNaチャネル遮断薬(Ⅰ群薬)とKチャネル遮断作用を有する薬(Ⅲ群薬、ベプリジル)であるが、両者の作用の特徴には違いがある。
  Naチャネル遮断薬の中で最も頻用されているピルジカイニドの150mg(1日量)を単回で経口投与すると、数十分から数時間で除細動効果が現れる(図210)。一方、Ⅳ群薬(Ca拮抗薬)に分類されるが広範なKチャネルの遮断作用を有するベプリジルでは、除細動効果の発現に数日から数ヵ月を要する11)。このようにKチャネル遮断作用を有する薬の除細動効果発現はNaチャネル遮断薬に比べて緩徐であるが、除細動される症例の割合は高く、数年の病歴を有する症例でも多くが除細動可能であり12)、しかも継続投与による長期間の洞調律維持率もNaチャネル遮断薬に比べて高い11)
  このようなNaチャネル遮断薬とKチャネル遮断作用を有する薬の特徴を考慮して、両ガイドラインでは、孤立性の持続性心房細動に対しては心拍数調節が第一選択であるが、除細動を追求する場合はKチャネル遮断作用を有する薬を候補とした(図1)。ただし、持続性であっても発作の持続が比較的短い場合はNaチャネル遮断薬を試みてもよい。これらの薬物治療が無効の場合は、第二選択として電気的除細動やカテーテルアブレーションを考慮する。